グランチャ





小さな社会貢献ニュース




saveproject

| HOME | インタビュー | vol. 002 グランチャ |

グランチャ

インタビュー:2007年10月3日

はじめに


介護保険制度と言う言葉はよく耳にするが、その実態についてはあまり知られていない。
厚生労働省の報告(H19年8月)によれば、全国の受給者総数は、
介護予防サービスでは71万人、介護サービスでは290万人。
受給者1人当たり月額費用は、介護予防サービスでは3.8万円、
介護サービスでは17.6万円となっている。

一方で介護保険には各種制約があり、受けられないサービスも存在する。
いわゆる介護保険適用外サービスだ。

今回は、この分野で学生によるサービスを展開しているNPO法人(申請中) Grandcha(グランチャ)の江頭代表にお話を伺った。

インタビュー・文=後藤 広明(社会貢献プランナー)

Grandchaとは?


グランチャGrandcha(グランチャ)は介護保険適用外の業務を請け負うNPO組織だ。

Grandchaの特徴は、学生による高齢者支援。
孫がおじいちゃん、おばあちゃんのお手伝いをするように、学生が高齢者の支援をするという新しい仕組みだ。

創立者は法政大学に通う学生。
大学4年目にしてホームヘルパー歴7年というキャリアを持つ代表の江頭さんが、
これまでに感じてきた社会の課題を直視し、正面から取り組むべく設立された組織だ。



介護×出会い 〜介護との出会い〜


現在、法政大学の現代福祉学部に通う大学4年生。
私が福祉に興味を抱いたのは、高校一年のときにホームヘルパーを取得したのがきっかけです。
当時、時間を持て余していた自分に、父親が「ホームヘルパーでも取ったら?」と勧めてくれました。

ホームヘルパー取得後は、しばらく介護施設でのボランティア活動をしていました。
それがきっかけで、アルバイトとしてお手伝いをすることに。
この頃は、本当にただのバイト感覚でやっていました。

その後、後輩の指導や、親身に教えてくれた恩師の病気を経験し、
自分の中で「変化」がありました。
「もっと、ちゃんとやんなきゃ・・・」

それからは、休みの日にもボランティアに行くような生活でした。
そんな経緯で、大学も現代福祉学部のある法政大学に入学しました。



矛盾×挑戦 〜Grandcha設立のきっかけ〜


大学時代も障害を持つ子供と遊ぶイベントを企画するなど、相変わらずのボランティア人間でした。
特に、ボランティアに関心の無い人にも「遊び感覚でいいからきて!」と積極的に声をかけました。
きっかけが遊びの延長だとしても、子供達の笑顔は変わらないんですよね。
また、それをきっかけにボランティアに関心を持ってもらえば、それで充分だと思ったので。

よく友達に「なんでボランティアに参加するの?」と聞かれて苦慮するのですが、
本音は、「ボランティアに参加しない理由が無いから」です。
ボランティアに参加し、色んな人と出会うのは、本当に楽しいですよ。

そうこうしているうちに、就職活動をする時期になりました。
自分も流れに乗って就職活動を行ってきたのですが、
どうしても、1つの疑問がひっかかって、解消されませんでした。

それは、多くの物事が医療、食事、住居が満たされている(揃っている)前提で議論をされていることです。
私は、これまでのボランティア活動を通じて、
世の中には医療、食事、住居が満たされていない人が沢山いることを知っていました。

この矛盾と向き合い、格闘し、自分の生き方を真剣に悩みました。
その結果、「医療、食事、住居が満たされていない人の環境を創るべく、自分にできることをしよう!」との考えに至りました。
それがNPO法人 Grandcha(グランチャ)発足の経緯です。



介護×孫 〜介護保険の限界〜


グランチャ現在、我々が取組んでいるのは介護保険適用外サービスです。

例えば介護保険で、病院まで一緒に行くことはできますが、
病院内での付き添いまでは認められていません。
また、庭の草取りなども適用外なので、介護保険ではお手伝いすることができません。

昔であれば、孫が手伝っていたようなことでも、現代では難しい面が多々あります。
この部分を同世代である学生が請け負う、これが「孫の手プロジェクト」の発想です。

私の所属する現代福祉学部ではホームヘルパーの資格を持っているメンバーも多いです。
しかし、彼らがその資格を活かせる場はあまりありませんでした。
つまり、「孫の手プロジェクト」は、高齢者のみならず学生にもメリットのある取り組みだと考えています。

ちなみに、Grandcha(グランチャ)という名前は、Grandchild(孫)からきています。
「孫の手プロジェクト」には、「かゆい所に手が届くサービス」という思いが込められています。



地域×密着 〜地域への貢献〜


グランチャ現在は、広く活動を知ってもらうための広告活動が中心です。
大学周辺(八王子)の住宅を中心にチラシを配ったりしています。

介護保険適用外サービスと言うと特別に聞こえますが、
要は高齢者の方が「ちょっと手伝って欲しい・・・」
と思うようなことをお手伝いしたいと思っています。

目指すは、サザエさんに登場する三河屋(サブちゃん)です。
お酒を届けるついでに、醤油やみりんの注文も聞いてくれる。

まずは地域に密着し、気軽に声をかけあえるような環境を作ってゆきたいと思っています。



Grandcha×企業 〜企業とのコラボレーション〜


企業とのコラボレーションとしては、福利厚生の一環としての「孫の手プロジェクト」が考えられます。
「孫の手プロジェクト」の利用者は主に高齢者ですが、依頼者はその家族であることが多いです。

福利厚生の新しい取り組みとして、是非、多くの企業とのコラボレーションを進めてゆきたいですね。


Grandcha×願い 〜志は高く一歩づつ着実に〜


グランチャGrandchaの長期的な目標は、「医、食、住が満たされていない人の社会保障システムを創ること」です。

日々、自分達にできることをやりながら、この目標に一歩づつ近づいてゆくことが我々の目標です。

これからも是非、応援を宜しくお願いします!

問い合わせ先

団体名
代表
江頭 大

編集後記 〜webmasterのつぶやき〜


大学4年にしてホームヘルパー歴7年の江頭さん。
経験に裏づけされた発言には、深い説得力があります。
就職ではなく、社会問題に正面から挑むことを選択した彼は、立派な「ソーシャルアントレプレナー(社会企業家)」です。
特に「ボランティアをする理由ですか?しない理由が無いからです。」の言葉は、とても印象的でした。
これからも志の高い彼の活動を、多くの人が支持することでしょう。
もちろん、微力ながら私も応援させて頂きます!

編集後記

saveproject代表
後藤広明