インタビュー:2008年02月26日
はじめに
先日、インタビューをさせてもらったスマイルスタイルの塩山 諒氏より
とても素敵な方を紹介してもらった。
スマイルスタイルのメンバーであり、
「FREE HUGS」に取り組んでいる田川 香絵氏だ。
彼女は毎朝、同じ場所で「FREE HUGS」と書いたボードを掲げ、
「HUGS」を通じて、人々の心に「暖かさ」を贈りつづけている。
そんな彼女に「田川 香絵」というフィルターを通じて出てきた
「FREE HUGS」についてお話を伺った。
インタビュー:saveproject 代表 後藤 広明
FREE HUGSとは
「FREE HUGS」とは、道端で「FREE HUGS」と書いたボードを掲げ、
行きかう人と「HUGS」を共有する行為である。
Wikipediaで調べてみると、
「オーストラリア・シドニー市を拠点に2004年頃から始まり、
インターネットを発祥の地とした社会現象である。」
とある。
FREE HUGS?、社会現象?
HUGSを通して、世の中の何かが動き始めているようだ・・・
田川 香絵氏のプロフィール
1985年1月31日、大阪生まれ。
客観的に見て「フツーの家庭」に生まれ育ち、「フツーの人生」を満喫。
愛知県・日本福祉大学卒業。
「自分の姿から子どもに夢を与えられる教員になりたい!」と
教師を目指していたものの、かっこいい大人・同世代の若者・
FREE HUGSとの出逢いから、人生が変わる。
インターネットの映像に感動しFREE HUGSを始め、
様々な想いをめぐらせながら、毎朝通勤時間、同じ時間・同じ場所に
2ヶ月間ひとりで路上に立ちつづけるというスタイルで、
現在も各地で活動を通じて想いを発信している。
教員志望時代やFREE HUGSから得た想い・社会変革の意思が
スマイルスタイル代表の塩山諒とリンクし、
現在はスマイルスタイル(NPO法人格取得予定)のスタッフとして活動。
街づくりを通して、ミライの子どもたちに希望・夢・笑顔・ぬくもりを
与えられる社会の実現に向けて日々奮闘中。
FREE HUGSに関するメディア露出
ABCテレビ「NEWS ゆう」
TBSテレビ「イブニングファイブ」
(有)ASOBOT ハイジャック会議プロジェクト パンフレット掲載
読売新聞
朝日放送「おはよう朝日です」
FREE HUGSとの出会い 〜びっくり×疑問〜
私は2006年の秋にはじめてFREE HUGSの存在を知りました。
当時、私は愛知県の大学に通っていて下宿生活をしていました。
高校の同級生から「めっちゃいい映像みつけたよ!」ってメールがきて、
一緒に貼っていたリンクにアクセスすると、
youtubeのFREE HUGSの映像につながりました。
この映像を見たとき、
「日本でこんなことがありえるのか?!」と・・・
「びっくり、感動」そんな感情をいだきました。
この時は正体はわからなかったのですが、
同時に「疑問」に似た感覚も湧いていました。
通り魔とか、子殺し、親殺しなど、
悲しいニュースが多く飛び交うこの時代に・・・
この映像をみて、
人の暖かさを感じることができる小さな「希望」、
どうか無くならないで欲しい「希望」、が湧きました。
そして、自分もやってみようと思いました。
特別な技術も知識もいらない。
ボードに「FREE HUGS」と書いて立つだけ。
私にもできると思いました。
FREE HUGSへの挑戦 〜勇気×覚悟〜
最初は一人で路上に立つなんて、そんな勇気もなかったので、
とりあえず、ダレかがやっているところに仲間にいれてもらおうと、
名古屋あたりでやっている人を探しました。
そこで、mixiで検索してみると「FREE HUGS」のコミュニティを発見。
すると、「今週の日曜日にJR名古屋駅付近でやります!」と
書き込みしている人を発見。
彼女は主婦で、小さな男の子のおかあさんでした。
早速、「ご一緒させて頂いていいですか?」とメールし、
はじめて路上にたつことになりました。
一番最初にハグをしたのは、アメリカ人の女の人でした。
涙が出そうになって、必死にこらえたのを覚えています。
何も知らないアイテと
他人とハグなんて・・・
ほとんどの人は無視だろうなと思っていたのですが、
(傷つく覚悟でいきました笑)
3時間程で52人の人をハグをしました。
一番最初のFREE HUGSだったので、よく覚えています。
私のFREE HUGS 〜疑問×葛藤〜
FREE HUGS暦数時間の私に
「なんでこんなことしてるの?」
「これは、なんの活動なの?」
とほとんどの人が聞いてきました。(当然ですが・・・)
当時の私は、正直、なんでFREE HUGSをするのか、
自分でもわかりませんでした。
あの時の感情を文字にするなら、
「ただ、なにか変わると思ったから。自分も。まわりも。」
そんな感じです。
なんでこんなことしてるんやろう?
なんでこんなことしてるんやろう?
ずーーーーーっと自分に問いかけていました。
映像を見た。感動した。今の社会に希望を持ちたかった。
自分にもできるとわかった。だから立ってみた。
答えがみつからないまま「とりあえず」やってみた。
だから質問してきてくれる人にも
「笑顔が増えるし、あったかい気持ちになるから。」
とまぁ、FREE HUGSの基本・原点しか語ることができませんでした。
悪く言ってしまえば、
自分の「コトバ」で語れなかったし、
当たり障りの無いことを言っていました。
なぜやるのか。
答えを模索しながら、活動を続けました。
月に2・3回、夕方やお昼に
FREE HUGSを通じて知り合った仲間たちと集団で路上に立ちました。
回を重ねるうちにわかったのですが、
若い子たちや、昔、海外に住んでいた人はハグしにきてくれたり
興味をもって話かけてくれたりするのですが、
サラリーマンなどの仕事帰りの人は、
すごく疲れた顔をしている人が多く、下を向いて歩いていたり
眉間にシワをよせて恐い顔で歩いていたり、
FREE HUGSのボードにも気づかずに通り過ぎていく人が多かった。
この頃から、
「あなたの大切な人・大スキなものを抱きしめてあげてください。」
というメッセージはもっていたので、
子どものいる親の世代や、大人に、
家族やまわりの人を考える時間を増やしてもらうためには、
「通勤時間にやったらえーやん。」
そこから、
毎朝7時45分から9時15分まで
同じ時間・同じ場所で
2ヶ月間、ひとりで立ち続ける
という私のFREE HUGSのスタイルができました。
FREE HUGSを通じて見えてきたこと 〜社会×賛否「良」論〜
FREE HUGSって「あたたかい」とか「笑顔」とか
そういうキーワードで報道されたり、語られることが多いんですけど、
もちろん、FREE HUGSを良く思わない人もいらっしゃるし、
私自身もFREE HUGSを「イイモノ」だとは必ずしも思っていなくて、
実際やっている中でも
「めっちゃステキ。」
「人のあたたかさっていいね。」
「こんな私でもハグしてくれますか?」
「今日1日、幸せな気持ちでいれました。」
「毎朝がんばってるね。ぼくもがんばるよ。」
「ハグってなんかわからないけど、いいね。」
「あなたに出逢えてよかったよ。」
と応援してくれる声もあれば、
「気持ち悪い。」
「意味わからん。」
「彼氏のこと裏切ってるやん。」
「女の子が立ってたら男やったらダレでも行くやろ。」
「何が変わるん?」
「はぁ?」
と言う人もいます。
でもそれは、人はみんな違うんだから当たり前で、賛否「良」論。
それでいい、それがいいんだと思います。
自分とは反対の意見に落ち込むこともないし、反発することもない。
たまには落ち込んだりすることもあると思いますが、
反発するということは、チガイを認められていないということ。
チガイを認めるってものすごく難しいことだと思うけど、
自分とアイテのチガイを認め合うことって、
何も知らないアイテのことを考えるには、とても大切なことだと思います。
「FREE HUGSっていいでしょ?」
って発信することの方がナンセンスだと思うし、
そもそも、FREE HUGSが今広がり続けていること自体おかしいと思う。
なぜ、見ず知らずの他人に「ハグしませんか?」と訴えられないといけないのか。
FREE HUGSが流行っているなんておかしいと思う。
こんな現象が生まれる社会、変だと思う。
FREE HUGSって「社会問題」?
ハグをすることが、目的なんですか?
「ハグしませんか?」と他人に訴えられなければならないほど、
今の社会は、
人のココロは、
冷え切ってしまっているのですか?
どうして、こうなってしまったのですか?
あなたは大事な人を大事にしていますか?
他人ってなんですか?
他人は「関係ない人」ですか?
FREE HUGSの映像を初めてみたときに湧いた
「疑問」に似た感覚は、
これだったと思います。
FREE HUGSへの想い 〜大切×想い〜
私は、FREE HUGSをしていますが、
「私とのハグ」を目的としていません。
「あなたの大切な人、大スキなものを抱きしめてあげてください。」
そう思っています。
自分の家族、トモダチを大切に想うこと
たったひとつの存在なんだと想うこと
そこから、
道ですれ違う何も知らないアイテだって、
「どーでもいい人」なんてダレひとりいないんだと実感すること。
当たり前のこと、当然のこと、すべての人が潜在的に思っていることだけど、
ダレもがダレかの子どもであり、
ダレもがダレかの「大切」であり、
どうでもいい人なんてダレひとりいないということを
私自身がFREE HUGSをやって実感できました。
さっき、「人はみんな違う」って言ったけど、
そういう意味では、きっと「人はみんな同じ」なんだと思います。
FREE HUGSが教えてくれた自分 〜アイテ×思いやり〜
そして、私自身がどんな人間になりたいかということもわかりました。
私は、何も知らないアイテのことを一生懸命考えられる
そんな人間になりたい。
まだまだ小さなことに腹を立てることもあるし、
自分とは違った意見を持つ人をココロから認めているかといわれると
自信がないけれど、
それでも私は、死ぬまでに
何も知らないアイテのことを一生懸命考えられる人間になりたいと思います。
FREE HUGSで想いを持つことができたころに
人・自然・動物・街・地球。
そんな「アイテ」に対するほんの少しの思いやりの気持ちの輪が
今よりもっと広がれば、社会はもっと輝く、魅力溢れる。
そんな想いをもった塩山諒に出逢い、想いに共感し、
今スマイルスタイルを一緒につくりあげてます。
今後の抱負 〜アイテ×希望〜
今の私のアタマの中は、FREE HUGSとスマイルスタイルでできていて、
「今後の抱負」となると、この2つに関わってくると思うものが2つあります。
ひとつは、 生きるチカラ・希望・笑顔・温もりを
子どもたちに与えられる社会を作りたい。
そして
二つ目は、そういう社会を実現して、世界からFREE HUGSをなくしたい。
私は、大学生のころに教員を目指していて、
そのころに、たくさんの子どもに出逢ってきました。
衝撃的だったのは、小学生・中学生。
本来なら、「あれがしたい!」「将来こうなりたい!」と
目をキラキラと輝かせているはずの子どもが、
すごく疲れている、夢をもてないということ。
「何も楽しいことがない。」
「別に将来したいことなんてない。」
「毎日おもしろくない。」
と言うこどもを沢山みてきて、
大人の立場として、彼らにすごく申し訳ない気持ちになりました。
もちろん、こんな子どもばかりではないと思うけれど
子どもにミライをわくわくさせてあげれていないのは、
確実に私たち大人の責任。
何かを諦める、希望を見出せない、
そんな子どもたちをみてきて、
ココロから単純に、そんな社会を「イヤだ」と思いました。
私自身、小学生のころにちょっとした性犯罪に巻き込まれたことがあって、
子どもに絶望や、失望をもたせるような社会であってはならないと
特に強く思っているのは、そのおかげで、
そのころから、「社会」に対して疑問をもつようになったんだと思います。
スマイルスタイルの街づくりや、
私がやっているFREE HUGSは、
ひとつの「草の根活動」なのかもしれないけれど、
私は、その草の根の先に確実に伝えたい想い・メッセージがある。
街に生きる人が、今を生きるすべての人が、
「街を想う」「社会を想う」ことができれば、
「アイテ」に対するほんの少しの思いやりの気持ちを持つことができれば、
街には、笑顔やぬくもりがあふれ、
大人が笑顔で通勤し、
緑あふれ、
街からポイ捨てはなくなり、
投票率・出生率があがり、
優先座席がなくなり、
子どもは今よりもっと夢を持つことができる。
きっとそんなカタチにつながります。
シンプルで当たり前なメッセージだけど、
そこにアクションを起こしたいし、その想いを絶対に忘れたくない。
イイコトなのか、ワルイコトなのか、
FREE HUGSは今、
世界の各地で広まり続けています。
もし、FREE HUGSで
私の考える社会が実現できたら、
そのとき、
ボードを持って路上に立つ人は
世界からいなくなります。
そんなことをしなくても
そんなこと言われなくても
人が人を想い、
街を想い、
自然・動物を想うことが、
なにも知らないアイテを想うことが、
当たり前になっているはずだから。
なぜ、見ず知らずの他人に
「ハグしませんか?」と
投げかけられなければならないのか。
全くもって、おかしな話だと思う。
矛盾しているかもしれませんが
私は、FREE HUGSを世界からなくすために
「FREE HUGS」と書かれたボードを持って、
これからも路上に立とうとおもいます。
私とハグはしてくれなくていい。
この記事が、読んでくださっている人の
家族・トモダチを改めて大切に想うきっかけになったら最高です。
あ、ついでがあったら、
もしよかったら、
照れるかもしれないけど、
その人とハグしてみてくださいね。笑。
問い合わせ先
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編集後記 〜WEBmasterのつぶやき〜
「FREE HUGSを通じてFREE HUGSを無くしたい・・・」
自分で経験し、葛藤し、考え続けた末に出てきた田川 香絵氏の
ピュアな想いがダイレクトに伝わるインタビューであった。
なぜFREE HUGSが流行る世の中になったのか?
その背景には何があるのか?
彼女からのインタビューを通じて、沢山の「きっかけ」を貰うことが出来た。
田川 香絵さん、これからも「大切なきっかけ」を発信し続けてくださいね!
応援しています!

saveproject代表
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